介護保険の自己負担は何割?2割負担になる条件と月々の費用目安をやさしく解説

公開: 2026年6月5日 読了目安 約5分

先に、要点だけ

  • 介護保険の自己負担は原則1割。65歳以上で本人の合計所得金額160万円以上だと2割、220万円以上だと3割になる場合がある(2026年時点)
  • 年金収入で見た2割の目安は、単身で年金収入+その他の合計所得金額280万円以上(65歳以上2人以上の世帯は346万円以上)
  • 親が何割かは、市区町村から届く「介護保険負担割合証」を見れば一発で分かる
  • 在宅サービスには月の支給限度額がある。要介護1は167,650円で、1割負担なら自己負担は月約16,800円まで
  • 40〜64歳(第2号被保険者)は所得にかかわらず1割
この記事の目次
  1. 介護保険の自己負担は何割?原則は1割
  2. 2割負担・3割負担になる条件(2026年時点)
  3. 親が何割かは「負担割合証」を見れば分かる
  4. 月々いくらかかる?要介護度別の費用イメージ
  5. 自己負担が重くなったら「高額介護サービス費」で戻る

要介護認定の通知が届いて、いよいよサービスを使う段階になったとき、最初に気になるのがお金のこと。「自己負担は1割と聞いたけれど、うちの親は2割と言われた。何が違うのか」——ここで戸惑う家族は少なくありません。

結論から言うと、介護保険サービスの自己負担は原則1割で、65歳以上で本人に一定以上の所得がある場合のみ2割または3割になります(2026年時点・厚生労働省)。そして親が何割なのかは、市区町村から届いている「介護保険負担割合証」を見ればすぐに分かります。この記事では、2割・3割になる条件、負担割合証の見方、月々の費用イメージを順に整理します。

介護保険の自己負担は何割?原則は1割

介護保険サービスを使うと、かかった費用の1〜3割を利用者が負担し、残りは保険から給付されます。大多数の人は1割負担で、2割・3割になるのは65歳以上のうち所得が一定以上の人だけです。

💡 判定されるのは「本人」の所得

負担割合は世帯の収入合計ではなく、サービスを使う本人の所得を出発点に判定されます。子どもである自分の年収や、同居しているかどうかで親の負担割合が上がることはありません。

なお、40〜64歳(第2号被保険者)が特定疾病で介護保険サービスを使う場合は、所得にかかわらず1割負担です。

2割負担・3割負担になる条件(2026年時点)

65歳以上の人が2割・3割負担になるのは、次の両方を満たす場合です(厚生労働省)。

負担割合本人の合計所得金額年金収入+その他の合計所得金額
2割160万円以上単身280万円以上(65歳以上2人以上の世帯は346万円以上)
3割220万円以上単身340万円以上(65歳以上2人以上の世帯は463万円以上)

ざっくり言えば、収入が年金だけで単身なら、年金収入280万円未満は1割が目安です。収入が年金中心の家庭の多くはこの範囲に収まります。一方、現役時代の収入が多く年金額が大きい人や、不動産収入・給与収入がある人は2割・3割の可能性があります。

⚠️ 「世帯の収入で決まる」という思い込み

「父に収入があるから母の介護費も3割になる」と誤解して、費用を実際より重く見積もってしまう家族がよくいます。判定は本人ごとで、夫が2割・妻は1割ということも普通にあります。思い込みで施設や在宅サービスの検討を狭める前に、まず負担割合証を確認してください。

親が何割かは「負担割合証」を見れば分かる

要介護・要支援の認定を受けると、市区町村から「介護保険負担割合証」が交付されます。サービス利用時に事業者へ提示する証書で、ここに負担割合が明記されています(厚生労働省)。

✅ 負担割合証で確認すること

  • 「利用者負担の割合」の欄——1割・2割・3割のいずれかが書かれている
  • 「適用期間」の欄——その割合が適用される期間。毎年更新され、前年の所得により割合が変わることがある
  • 介護保険被保険者証と一緒に保管されているか——サービス開始時に両方を提示する

見当たらない場合は、親が住む市区町村の介護保険担当課で再交付を受けられます。認定を受けたばかりでまだ手元にない場合は、認定結果の通知とあわせて届くのが一般的です。

月々いくらかかる?要介護度別の費用イメージ

在宅で使える介護保険サービスには、要介護度ごとに月の**支給限度額(区分支給限度基準額)**が決まっています。限度額の範囲内なら自己負担は1〜3割で済みます。1割負担の場合の自己負担の上限目安は次のとおりです(2026年時点・厚生労働省)。

要介護度支給限度額(月)1割負担の場合の自己負担上限
要支援150,320円約5,032円
要支援2105,310円約10,531円
要介護1167,650円約16,765円
要介護2197,050円約19,705円
要介護3270,480円約27,048円
要介護4309,380円約30,938円
要介護5362,170円約36,217円

これは「限度額いっぱいまで使った場合」の数字です。実際にはケアマネジャーが必要なサービスを限度額内で組み合わせて計画を作るため、使った分だけの負担で、表の金額より少なく収まる家庭も多い構造です。費用の希望(月いくらまでにしたいか)は、ケアプランを作る最初の段階で遠慮なく伝えて大丈夫です。ケアマネジャーの探し方はケアマネジャーの探し方で解説しています。

注意点として、限度額を超えた分は全額自己負担になります。また、デイサービスの食費やショートステイの部屋代など、保険の対象外の実費は別途かかります。

自己負担が重くなったら「高額介護サービス費」で戻る

2割・3割負担の人や、要介護度が高くサービス量が多い人でも、1か月の自己負担には所得に応じた上限額があります。上限を超えた分は高額介護サービス費として払い戻されます(一般的な所得の世帯で月44,400円・2026年時点)。詳しい上限額と申請方法は高額介護サービス費はいくら戻る?にまとめています。

負担割合の判定や限度額の運用には、ここで書ききれない細かい条件があります(2026年時点の国の基準・自治体により案内方法は異なります)。手元の負担割合証を見ても分からないことがあれば、市区町村の介護保険担当課か地域包括支援センターに電話で確認するのが確実です。これから認定を受ける段階なら、要介護認定の申請方法と流れから読んでみてください。

よくある質問

年金収入だけの場合、介護保険の自己負担は何割になりますか?

65歳以上で収入が年金のみの場合、単身なら年金収入+その他の合計所得金額が280万円未満であれば1割負担が目安です(2026年時点)。280万円以上で合計所得金額160万円以上なら2割、340万円以上で合計所得金額220万円以上なら3割になる場合があります。正確な割合は市区町村が判定し、負担割合証に記載されます。

介護保険の負担割合はいつ、どうやって決まりますか?

市区町村が本人の所得などをもとに判定し、「介護保険負担割合証」で通知されます。負担割合証は毎年更新され、前年の所得を反映して割合が変わることがあります。本人が申請する手続きは不要です。

夫婦の一方に収入が多いと、2人とも2割・3割になりますか?

必ずしもそうなりません。判定の出発点は本人ごとの合計所得金額のため、夫が2割で妻は1割というケースもあります。ただし判定基準の一部(年金収入等の額)は世帯内の65歳以上の人数によって金額が変わるため、最終的な割合は負担割合証で確認してください。

40〜64歳で介護保険サービスを使う場合の負担割合は?

40〜64歳の第2号被保険者は、所得にかかわらず1割負担です(厚生労働省)。2割・3割負担の対象になるのは65歳以上の第1号被保険者のみです。

支給限度額を超えてサービスを使うとどうなりますか?

限度額を超えた分は保険が効かず、全額自己負担になります。ケアマネジャーは通常、限度額内に収まるようケアプランを調整するため、費用の上限希望は最初の面談で伝えておくと安心です。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。