要介護認定の申請方法と流れをわかりやすく解説|どこで・何が必要・何日かかる?
先に、要点だけ
- 申請窓口は、親が住民票を置く市区町村の介護保険窓口。家族の申請も、地域包括支援センターによる代行も可能
- 必要なものは申請書と介護保険被保険者証。申請も認定調査も無料
- 結果通知は申請から原則30日以内。実際は延びることもあるため、必要を感じたら早めに動く
- 認定調査には家族が立ち会い、日頃の様子を具体的なメモで伝えると実態に近い認定につながる
この記事の目次
「そろそろ介護保険を使ったほうがいい」と病院や周囲に言われたものの、どこに行って何を出せばいいのか、具体的なことは誰も教えてくれない——。要介護認定の入口では、多くの家族がここで足踏みします。
結論から言うと、申請窓口は親が住む市区町村の介護保険窓口(地域包括支援センターで代行も可)、必要なものは介護保険被保険者証、申請から結果通知までは原則30日以内です(厚生労働省)。この記事では、申請のやり方、当日の認定調査の注意点、結果の見方までを、はじめての人向けに順番に解説します。
要介護認定はどこで申請する?誰ができる?
申請先は、親(本人)が住民票を置いている市区町村の介護保険担当窓口です。窓口の名称は「介護保険課」「高齢者支援課」など自治体により異なります。
申請できるのは本人ですが、実際には家族が代わりに申請するケースが多数です。さらに、本人や家族が窓口に行けない場合は、地域包括支援センターなどに申請を代行してもらうこともできます。
💡 まず電話するなら地域包括支援センター
「何から始めればいいか分からない」段階なら、親の住む地域の地域包括支援センターに電話するのが近道です。申請の代行から認定後のサービス調整まで、無料で相談に乗ってもらえます。
対象年齢には条件があります。65歳以上(第1号被保険者)は原因を問わず申請できますが、40〜64歳(第2号被保険者)は、末期がんや関節リウマチなど国が定める特定疾病が原因の場合に限られます。
申請に必要なものは?
窓口で必要になるものはシンプルです。
✅ 申請時に用意するもの
- 要介護認定の申請書(窓口・自治体サイトで入手)
- 介護保険被保険者証(65歳の誕生月に市区町村から郵送されている桃色などの証書)
- 40〜64歳の場合は医療保険の保険証
- 主治医の氏名・医療機関名がわかるもの(診察券など)
- 代理申請の場合は窓口で本人確認書類を求められることがある
被保険者証が見つからない場合でも、再交付を受けられるので申請は可能です。また申請書には主治医(かかりつけ医)を記入する欄があります。かかりつけ医がいない場合は、申請前に一度受診しておくと手続きがスムーズです。認定に使われる「主治医意見書」は市区町村が医師に直接依頼するもので、作成費用の自己負担はありません(厚生労働省)。
申請から認定までの流れと期間
申請から結果が届くまでの全体像は次のとおりです。
期間の目安は申請から原則30日以内と法令で定められていますが、実際には調査や意見書の日程により30日を超える自治体もあります。「思ったより時間がかかる」前提で、介護が必要になりそうだと感じた時点で早めに申請することが大切です。
認定調査では何をされる?家族が立ち会うべき理由
認定調査では、調査員が本人の心身の状態(起き上がり・歩行・食事・もの忘れの状況など)と生活環境を聞き取り・確認します。所要時間は1時間前後が目安です。
ここで多くの家族がつまずくポイントがあります。
⚠️ 「調査の日だけ元気に振る舞う」問題
親世代は調査員の前で「できます」「大丈夫です」と実際より元気に答えてしまうことがよくあります。実態より軽い認定につながりかねないため、家族が立ち会い、日頃の様子(転倒の回数、もの忘れの具体例など)をメモにして調査員に渡すのがおすすめです。
立ち会いの際は、本人の前で言いにくいことは別室やメモで伝えて構いません。「夜間にトイレを失敗することが週に何回ある」など、具体的な頻度・エピソードが正確な認定につながります。
認定結果の見方:要支援1・2と要介護1〜5
結果は「非該当(自立)」「要支援1・2」「要介護1〜5」のいずれかで通知されます。数字が大きいほど、必要な介護の度合いが高いという区分です。
| 区分 | 状態の目安 | 主に使える仕組み |
|---|---|---|
| 非該当 | 日常生活はほぼ自立 | 自治体の一般介護予防事業など |
| 要支援1・2 | 部分的な支援で生活を維持できる | 介護予防サービス(地域包括支援センターが計画作成) |
| 要介護1〜5 | 日常的に介護が必要 | 介護保険サービス全般(ケアマネジャーが計画作成) |
認定には有効期間があり、新規は原則6か月、更新後は原則12か月(状態により3〜48か月の範囲)です。期限が近づくと更新の案内が届きます。また、認定後に状態が大きく変わった場合は、期間の途中でも区分変更申請ができます。
結果に納得できない場合は、都道府県の介護保険審査会への審査請求や、区分変更申請という選択肢があります。まずは市区町村の窓口かケアマネジャーに相談してみてください。
認定が出たら:ケアプラン作成とサービス開始
認定はゴールではなく、サービス利用のスタートラインです。認定区分によって、次に相談する相手が変わります。
- 要介護1〜5 → 居宅介護支援事業者に依頼し、ケアマネジャーとケアプラン(サービス利用計画)を作成
- 要支援1・2 → 地域包括支援センターに相談し、介護予防ケアプランを作成
ケアプラン作成の自己負担はありません。どの事業者に頼めばよいか分からない場合は、市区町村の窓口や地域包括支援センターで事業者リストをもらえます。
制度の運用は自治体により細部が異なります(2026年時点)。実際の手続きは、親の住む市区町村の窓口または地域包括支援センターで確認してください。まだ申請の段階か迷っている場合は、介護のはじめどきチェックで状況を整理するところから始めるのもおすすめです。
よくある質問
要介護認定の申請は家族が代わりにできますか?
できます。本人の申請が基本ですが、家族による申請のほか、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者などによる申請代行も認められています。遠方に住んでいる場合は、親の住む市区町村の地域包括支援センターに電話で相談すると、代行を含めた進め方を案内してもらえます。
要介護認定の結果が出るまでサービスは使えませんか?
認定前でも、暫定のケアプランを作って介護保険サービスを利用できる仕組みがあります。認定されれば保険給付は申請日にさかのぼって適用されます。ただし見込みより軽い認定になると差額が自己負担になる場合があるため、地域包括支援センターやケアマネジャーと相談しながら進めるのが安全です。
入院中でも要介護認定の申請はできますか?
できます。退院後すぐに介護サービスが必要になりそうな場合は、入院中に申請しておくと退院後の空白期間を減らせます。病院の医療ソーシャルワーカー(相談員)に「退院後に介護が必要になりそう」と伝えると、申請のタイミングを含めて調整してもらえます。
要介護認定に費用はかかりますか?
申請も認定調査も無料です。認定に必要な主治医意見書の作成費用も市区町村が負担するため、自己負担はありません。ただし申請前に受診歴がない場合は、意見書を書いてもらうための診察費用(保険診療)がかかることがあります。