🌱 はじめての介護 2026年6月24日

親の退院後の介護準備|退院前カンファレンスで家族が確認することと段取り

公開: 2026年6月24日 読了目安 約6分

先に、要点だけ

  • 退院が決まったら、まず病院の地域連携室(医療ソーシャルワーカー)に相談する。退院支援は病院側の業務で、無料で相談できる
  • 要介護認定は入院中に申請しておく。退院を待つと結果が出るまでの空白期間ができ、サービスが使えない
  • 退院前カンファレンスでは、退院後に何が自分でできて何に手助けが要るか、家で必要な道具・介助を家族から具体的に伝える
  • 福祉用具(ベッド・手すり等)は認定前でも暫定手配が可能。退院日からサービスが動くようケアマネジャー選びも入院中に進める
この記事の目次
  1. 退院が決まったら、まず病院の「地域連携室」に相談する
  2. 入院中に要介護認定を申請しておく
  3. 退院前カンファレンスで家族が確認すること
  4. 退院までに整えるもの:福祉用具・住宅改修の暫定手配
  5. 退院日からサービスを使うための段取り

親の入院中に「そろそろ退院です」と言われたとき、ほっとするより先に不安が来る人は少なくありません。歩けるようになったわけでも、元どおりになったわけでもない——それなのに、家でどう暮らすかは誰も具体的に教えてくれない。退院準備は、その空白を埋める作業です。

結論から言うと、退院が決まったら、まず病院の「地域連携室(医療ソーシャルワーカー)」に相談し、要介護認定は入院中に申請しておくのが基本です。退院を待ってから動き出すと、認定結果もサービス手配も間に合わず、家族だけで介護を抱える空白期間ができてしまいます。この記事では、退院日からサービスが動く状態にするための段取りを順番に解説します。

退院が決まったら、まず病院の「地域連携室」に相談する

入院中の親の退院準備で、最初の相談相手は病院の中にいます。多くの病院には**地域連携室(医療相談室・退院支援室などとも呼ばれる)**があり、そこに医療ソーシャルワーカー(MSW)という相談職がいます。

退院支援はこの相談員の業務のひとつで、患者や家族が退院後の生活で困らないよう、介護保険の手続きやサービスの調整を助けてくれます(厚生労働省)。どこに何を相談すればいいか分からない段階でも、まずここに声をかければ大丈夫です。

💡 相談は無料。遠慮しなくていい

医療ソーシャルワーカーへの相談に費用はかかりません。「退院後の生活が心配で」と病棟の看護師に伝えれば、相談員につないでもらえます。忙しい家族に代わって段取りの中心を担ってくれる存在です。

入院中に要介護認定を申請しておく

退院後に介護保険サービスを使うには、要介護認定が必要です。そしてこの申請は、退院を待たず入院中に済ませておくのが鉄則です。

認定は申請から結果通知まで原則30日以内とされていますが、実際にはそれ以上かかることもあります(厚生労働省)。退院してから申請すると、結果が出るまでの数週間、サービスが使えない空白期間が生まれてしまいます。

⚠️「退院してから考えよう」が一番つまずく

退院日が決まってから認定を申請し、福祉用具やケアマネジャーを探し始めると、すべてが後手に回ります。その間、家族が付きっきりになったり、必要な手すりがないまま自宅で転倒したり——という事態になりがちです。動き出しは「退院が決まった週のうち」が目安です。

申請は入院先を訪問して認定調査を受ける形でも可能です。手続きの詳しい流れは、要介護認定の申請方法と流れで確認できます。

退院前カンファレンスで家族が確認すること

退院前カンファレンスは、医師・看護師・リハビリ職・医療ソーシャルワーカーらが集まり、退院後の生活方針を共有する場です。ここに家族が加わることで、退院後の暮らしが現実的なものになります。

家族の役割は、病院では見えない自宅の事情を伝えることです。専門職は病室での様子は分かっても、家の間取りや日中の付き添いの有無までは知りません。

✅ カンファレンスで確認・共有すること

  • 退院後、何が自分でできて、何に手助けが必要か(食事・入浴・トイレ・移動)
  • 飲み薬や医療的な処置(インスリン・在宅酸素など)が続くか、誰が担うか
  • 自宅の環境(段差・階段・トイレや浴室の手すりの有無)
  • 日中家族がいるか、独居か、仕事との両立はどうするか
  • 退院日に間に合わせたい福祉用具・介護ベッドがあるか

言いにくいことも遠慮しなくて大丈夫です。「日中は仕事で家に誰もいない」「介護に割ける時間が限られている」といった家庭の実情こそ、退院後の計画に欠かせません。

退院までに整えるもの:福祉用具・住宅改修の暫定手配

退院後の生活には、道具の準備が欠かせません。介護ベッド・手すり・車いす・ポータブルトイレなどは、介護保険のレンタルや住宅改修の対象になります。

これらは認定結果を待たずに暫定で手配を進められることが多く、退院日に間に合わせるにはケアマネジャーの動きが鍵になります。そのため、要介護認定の申請と並行して、担当ケアマネジャーを入院中に決めておくと段取りがスムーズです。ケアマネジャー選びに迷ったらケアマネジャーの探し方を参考にしてください。

1
地域連携室に相談退院が決まった週に、病院の医療ソーシャルワーカーへ。
2
要介護認定を申請入院中に申請。認定調査は入院先でも受けられる。
3
ケアマネジャーを決める暫定ケアプランと福祉用具の手配を進めてもらう。
4
退院前カンファレンス家族が参加し、自宅の事情と必要な介助を共有。
5
退院日からサービス開始福祉用具・訪問介護などが退院当日に動く状態にしておく。

退院日からサービスを使うための段取り

理想は、退院した日からサービスが動いている状態です。そのためには、退院日から逆算して準備を組みます。

時期進めること
退院が決まった週地域連携室に相談・要介護認定を申請
退院の2〜1週間前ケアマネジャー決定・暫定ケアプラン・福祉用具の手配
退院前カンファレンス自宅環境と必要な介助を家族から共有
退院当日〜数日訪問介護・福祉用具レンタルなどのサービス開始

自宅ではなく、いったんリハビリを続ける施設(介護老人保健施設など)に移る選択肢もあります。どの道が親の状態に合うかは、退院前カンファレンスで専門職の意見を聞きながら決めて大丈夫です。

準備の進め方に迷ったら、病院の地域連携室だけでなく、親の住む地域の地域包括支援センターにも相談できます。窓口の使い方は地域包括支援センターへの電話のかけ方にまとめています。制度の運用や暫定手配の可否は自治体・病院により細部が異なるため(2026年時点)、実際の段取りは入院先の相談員と確認しながら進めてください。

よくある質問

退院前カンファレンスには家族が必ず参加したほうがいいですか?

参加をおすすめします。医師・看護師・ソーシャルワーカーが退院後の生活方針を共有する場で、家庭の実情(家の間取り、日中の付き添いの有無、家族の仕事)を伝えられるのは家族だけです。仕事などで日程が合わない場合は、電話やオンラインでの参加が可能か、地域連携室に相談してみてください。

要介護認定の結果が退院に間に合わないときはどうすればいいですか?

認定前でも、暫定のケアプランを作って介護保険サービスを利用できる仕組みがあります。認定されれば給付は申請日にさかのぼって適用されます。ただし見込みより軽い認定になると差額が自己負担になる場合があるため、ケアマネジャーや地域連携室と相談しながら進めると安全です。

退院後すぐに介護ベッドや手すりは用意できますか?

介護ベッドや手すりは介護保険のレンタル・住宅改修の対象ですが、認定区分によって使える品目が変わります。退院日から必要な場合は、入院中にケアマネジャーが暫定手配を進めることが多いです。急ぐ事情は退院前カンファレンスで具体的に伝えておくと、退院日に間に合わせやすくなります。

医療ソーシャルワーカーへの相談は費用がかかりますか?

無料です。医療ソーシャルワーカー(MSW)は退院支援や在宅復帰の調整を担う病院の相談職で、その相談に患者・家族の費用負担はありません。介護保険の申請方法や退院後のサービス調整まで幅広く相談できます。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。