グループホームとは?認知症の親が少人数で暮らす仕組みと入居条件
先に、要点だけ
- グループホームの正式名称は認知症対応型共同生活介護。認知症の人が5〜9人のユニットで介護スタッフと共同生活する地域密着型サービス
- 入居条件は原則、要支援2以上または要介護1〜5の認定+認知症の診断。要支援1の人は利用できない
- 地域密着型のため、原則そのグループホームと同じ市区町村に住民票がある人が対象になる
- 費用は家賃・食費・光熱費などの生活費に、介護保険の自己負担(1日約749〜859円/1割・要介護度による)を加えた月額。地域・施設で幅がある
- 探し方は地域包括支援センター・ケアマネジャー・介護サービス情報公表システムの3つが基本
この記事の目次
親の物忘れが目立ち始め「そろそろ一人暮らしは心配」と感じてグループホームを調べたものの、有料老人ホームや特養と何が違うのか、そもそも入れるのかが分からない——。認知症の住まい探しは、この入口で立ち止まる家族がとても多い場所です。
先に結論をお伝えします。グループホーム(正式名称は認知症対応型共同生活介護)とは、認知症の診断がある人が5〜9人のユニットで、介護スタッフと家庭的に共同生活する地域密着型サービスです(厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。入居には認知症の診断と原則要支援2以上の認定、そして原則その市区町村に住民票があることが条件になります。
グループホームとは?認知症の人の「もう一つの家」
グループホームは、大きな施設で多くの人が暮らす形とは違い、5〜9人を1ユニットとした少人数の共同生活が特徴です。入居者は自分のできることを続けながら、食事の準備や掃除などを職員と一緒に行い、認知症の進行をゆるやかにしながら穏やかに暮らすことを目指します。慣れた顔ぶれの少人数・家庭的な環境が、環境変化に弱い認知症の人に向いているとされ、地域住民との交流を大切にする地域密着型サービスである点も特徴です。「介護される場所」というより、役割を持って暮らす住まいと考えると実像に近づきます。
費用の目安:生活費+介護保険の自己負担
費用は「住まいと生活の費用」と「介護の費用」の2つに分けて考えると整理できます。
| 費用の内訳 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 家賃・管理費 | 居室・共用部分の利用 | 地域・施設により幅が大きい |
| 食費 | 1日3食分 | 施設が設定 |
| 光熱費・日常生活費 | 水道光熱費、消耗品など | 施設が設定 |
| 介護保険の自己負担 | 認知症対応型共同生活介護の費用 | 1日約749〜859円(1割・要介護度による) |
| 入居時費用 | 敷金・保証金など | 施設により有無・金額が異なる |
介護保険の自己負担部分は1日あたりおよそ749〜859円(1割負担の場合・要介護度で変動)ですが、生活費の部分は地域と施設で大きく変わります(厚生労働省 介護サービス情報公表システム・2026年時点)。総額は施設ごとに見積もりを取って比べるのが確実です。費用の全体像は老人ホームの種類一覧の記事でも他の施設と並べて解説しています。
どんな人に向く?向かない場合もある
グループホームは万能ではありません。認知症のケアに強い一方で、医療的なケアには限界があります。
🙆 向いている人
- 認知症の診断があり、集団生活に大きな抵抗がない
- 少人数の落ち着いた環境で暮らしたい
- できることを活かして生活を続けたい
- 住み慣れた地域で暮らし続けたい
🙅 慎重に考えたい人
- たん吸引・経管栄養など常時の医療的ケアが必要
- 集団での共同生活が本人に強い負担になる
- 重い身体介護が中心で認知症の症状は軽い
- 入居先と別の市区町村に住民票がある
医療的ケアが多く必要な場合は、介護医療院や看護体制の整った施設のほうが合うこともあります。認知症の診断がなく身体介護が中心なら、特養など別の選択肢が検討対象です。
入居条件:要支援2以上+認知症の診断+住民票
入居できるかどうかは、次の3点で決まります。ひとつでも欠けると原則入居できません。
✅ グループホームの主な入居条件
- 認知症の診断を受けている(医師の診断が前提)
- 要支援2、または要介護1〜5の認定を受けている(要支援1は不可)
- 原則、そのグループホームと同じ市区町村に住民票がある(地域密着型サービスのため)
- 少人数での共同生活に、著しい支障がない状態である
まだ要介護認定を受けていない場合は、認定申請が先になります。要支援と要介護の区分の違いは要支援と要介護の違いの記事で確認できます。地域密着型のため、遠方の親を自分の住む地域のグループホームに呼び寄せたい場合は、住民票の移動が必要になる点に注意してください。
つまずきやすい「重度化・看取り」の対応差
見学まで進んだとき、多くの家族が確認を忘れがちな落とし穴があります。
⚠️ 「ずっといられる」と思い込まない
グループホームは認知症ケアが専門で、医療体制は施設によって差が大きい住まいです。認知症が進んで医療的なケアが増えたり、看取りが必要になったときに、どこまで対応できるかは施設ごとにまったく違います。「終の住まいのつもりだったのに住み替えが必要になった」というつまずきを避けるため、入居前に重度化・看取りへの対応方針を必ず確認してください。
グループホームの探し方
探すルートは大きく3つです。地域密着型のため、地元の窓口から当たるのが近道です。
候補が見つかったら、必ず見学して雰囲気や職員の対応、費用の内訳を自分の目で確かめてください。見学で確認したい点は施設見学チェックリストの記事にまとめています。まだ相談先が決まっていない場合は、地域包括支援センターへの電話の記事から始めてみてください。
費用・入居条件・空き状況の運用は地域や施設によって差があります(2026年時点)。実際に検討する段階になったら、親の住む市区町村の地域包括支援センターか担当のケアマネジャーに相談するのが確実です。
よくある質問
グループホームは要介護でなくても入れますか?
認知症の診断があり、原則要支援2以上の認定を受けていれば入居を検討できます。要支援1の人や、認知症の診断がない人は対象外です。また地域密着型サービスのため、原則としてそのグループホームがある市区町村に住民票がある人が対象になります。まずは要介護認定と認知症の診断が入口になります。
グループホームの費用は月にどのくらいかかりますか?
家賃・食費・光熱費などの生活費に、介護保険の自己負担分(1日あたりおよそ749〜859円/1割負担・要介護度により変動)を加えた月額になります。生活費の部分は地域や施設で幅が大きく、入居時に敷金や保証金が必要な施設もあります(2026年時点)。正確な金額は見学時に内訳の見積もりをもらって確認してください。
グループホームと特別養護老人ホーム(特養)はどう違いますか?
グループホームは認知症の人が5〜9人の少人数で家庭的に暮らす地域密着型の住まいで、認知症の診断が入居の前提です。特養は常に介護が必要な人の生活の場で、新規入所は原則要介護3以上ですが認知症の診断は必須ではありません。認知症のケアに特化して落ち着いた環境で暮らしたい場合はグループホーム、重い介護が必要で終身の生活を考える場合は特養が検討対象になりやすいです。
認知症が進んだり、看取りが必要になっても住み続けられますか?
施設によって対応が大きく異なります。医療的なケアが増えた場合や看取りへの対応は、看護体制や協力医療機関との連携によって変わり、状態によっては住み替えが必要になることもあります。長く暮らせるかは入居前に確認したい重要な点です。見学時に「重度化・看取りにどこまで対応できるか」を必ず質問してください。