老人ホームの種類一覧|特養・老健・有料の違いがわかる早見表【はじまり期向け】

公開: 2026年6月12日 読了目安 約5分

先に、要点だけ

  • 施設は公的な介護保険3施設(特養・老健・介護医療院)と、民間の住まい系4タイプ(介護付き有料・住宅型有料・サ高住・グループホーム)の7つに大別できる
  • 特養の新規入所は原則要介護3以上。費用は公的施設で抑えめだが、地域によっては入所待ちが起きやすい
  • 老健は在宅復帰を目指すリハビリ施設で、終身の住まいを前提としない
  • 住宅型有料とサ高住は、介護サービスが外付け(訪問介護等と個別契約)。名前の印象で誤解しやすい
  • 介護のはじまり期に施設を決める必要はない。種類の当たりを付けておくだけで、いざという時の動きが速くなる
この記事の目次
  1. 老人ホームの種類一覧|まず7つの早見表
  2. 公的な介護保険3施設(特養・老健・介護医療院)の違い
  3. 民間の住まい系4タイプは「介護が中にあるか、外か」で見る
  4. 費用はどう考えればいい?
  5. はじまり期に施設を決めなくていい理由

「退院までに、今後の生活の場も考えておいてくださいね」と病院に言われて老人ホームを検索したら、特養・老健・サ高住と似た略語が並び、そっとタブを閉じた——。施設探しの入口で、多くの家族がここで止まります。

結論から言うと、老人ホームの種類は、公的な介護保険3施設(特養・老健・介護医療院)と、民間の住まい系4タイプ(介護付き有料・住宅型有料・サ高住・グループホーム)の7つに分けて眺めれば十分です。そして介護のはじまり期に、どこかへ入る決断は必要ありません。この記事は「決めるため」ではなく「知っておくため」の早見表です。

老人ホームの種類一覧|まず7つの早見表

細かい制度の説明より先に、全体を1枚で見てしまうのが早道です。

種類どんな人向け費用感入りやすさ
特別養護老人ホーム(特養)常に介護が必要な人。新規入所は原則要介護3以上公的で抑えめ。所得に応じた負担軽減あり申込者が多く、地域によって入所待ちが起きやすい
介護老人保健施設(老健)退院後にリハビリをして自宅へ戻ることを目指す人(要介護1〜5)公的で抑えめ在宅復帰が前提。長期の住まいには不向き
介護医療院長期の医療的ケア(たん吸引・経管栄養など)と介護が両方必要な人(要介護1〜5)公的で抑えめ+医療費対象が医療ニーズのある人に絞られる
介護付き有料老人ホーム施設スタッフの介護を受けながら暮らしたい人(要支援1〜)入居金+月額で高めの傾向空きがあれば比較的早い
住宅型有料老人ホーム食事などの生活支援を受けつつ、介護は外部サービスを使う人施設による幅が大きい比較的入りやすい
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)見守りと生活相談のある賃貸で暮らしたい自立〜軽度の人賃貸方式(敷金・家賃・サービス費)比較的入りやすい
グループホーム認知症の診断がある人(要支援2〜)。少人数の共同生活中程度原則、施設と同じ市区町村に住民票が必要。定員が少ない

費用は地域・施設・要介護度・収入で大きく変わるため、この段階では「公的は抑えめ、民間は幅が大きい」という距離感だけつかめば大丈夫です。

公的な介護保険3施設(特養・老健・介護医療院)の違い

3つとも介護保険で入る公的施設ですが、役割がはっきり分かれています。**特養は「生活の場」、老健は「自宅に帰るためのリハビリの場」、介護医療院は「医療と介護を長期に受ける場」**です(厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。

特養は要介護3以上という入口の条件があるかわりに、費用が抑えめで長く暮らせる施設です。老健は在宅復帰を目指す施設のため、入所しても定期的に退所・継続が検討されます。退院直後の受け皿として使い、その間に次の体制を整える、という位置づけで語られることが多い施設です。

民間の住まい系4タイプは「介護が中にあるか、外か」で見る

有料老人ホームやサ高住は、名前より介護サービスが内包されているか、外付けかで見ると混乱しません。

🏨 介護が「中」にある型

  • 介護付き有料老人ホーム(特定施設)
  • 施設スタッフが介護を提供
  • 介護費は要介護度に応じた定額が基本
  • 要支援1から入居できる施設もある

🏠 介護が「外」にある型

  • 住宅型有料老人ホーム・サ高住
  • 住まい+見守りや生活支援が本体
  • 介護は訪問介護等と個別に契約
  • 介護が重くなると住み替えが必要な場合も

グループホームはこのどちらとも違い、認知症の人が5〜9人の少人数で介護スタッフと共同生活を送る地域密着型の住まいです。原則として施設のある市区町村に住民票がある人が対象になります。

⚠️ 「サ高住だから介護も付いている」と思い込む

サ高住の必須サービスは安否確認と生活相談で、介護そのものではありません(国土交通省・厚生労働省共管制度)。住宅型有料も同様に介護は外付けです。パンフレットの「安心の見守り」という言葉から24時間介護を想像して入居後にギャップを感じるケースがあるため、見学時は「介護が必要になったら誰が・どの契約で行うのか」を確認してみてください。

費用はどう考えればいい?

施設の費用は「住まいの費用(居住費・家賃・入居金)」と「介護の費用(介護保険の自己負担)」の2階建てで考えると整理できます。介護保険の自己負担は所得に応じて1〜3割で、公的施設では収入に応じて居住費・食費が軽減される仕組みもあります(2026年時点・詳細は自治体や施設で確認)。自己負担の仕組みは介護保険の自己負担割合の記事で、負担が高額になった場合の払い戻しは高額介護サービス費の記事で詳しく解説しています。

はじまり期に施設を決めなくていい理由

要介護認定が出たばかりの時期は、在宅サービスで様子を見ながら考えられる段階です。施設は本人の状態・お金・地域の空き状況で選択肢が変わるため、今決め打ちしてもその通りにはなりません。

💡 今やることは「決める」ではなく「当たりを付ける」

「うちの場合は公的3施設が視野か、住まい系か」の当たりが付いているだけで、いざ必要になった時の動き出しがまったく違います。特養のように待機が起きやすい施設は、必要になってから調べ始めると間に合わないことがあるためです。

将来の相談をスムーズにするために、次の3点だけメモしておくと後で効いてきます。

✅ 施設の話が出る前にメモしておく3点

  • 親の要介護度(未申請なら認定申請が先。申請の流れはこちら
  • 医療的ケアの有無(たん吸引・経管栄養・インスリンなど)
  • 月にいくらまで出せるか(親の年金・貯蓄ベースでざっくり)

施設の空き状況・費用相場・入所要件の運用は地域と施設によって差があります(2026年時点)。具体的に検討する段階になったら、担当のケアマネジャーか地域包括支援センターに相談するのが確実です。まだケアマネジャーがいない場合は、ケアマネジャーの探し方の記事から始めてみてください。

よくある質問

特別養護老人ホーム(特養)は要介護いくつから入れますか?

新規入所は原則要介護3以上です。要介護1・2の人は、認知症で在宅生活が困難などやむを得ない事情がある場合に限り特例的に入所が検討されます。要支援1・2の人は利用できません。

介護老人保健施設(老健)にはずっと入所できますか?

老健はリハビリをして在宅復帰を目指す施設のため、終身の住まいを前提としていません。入所後も定期的に退所・継続の検討が行われます。長期の住まいを探している場合は、特養や民間施設など別の選択肢と並行して考える必要があります。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と有料老人ホームの違いは何ですか?

サ高住は賃貸借契約で入居するバリアフリー住宅で、必須サービスは安否確認(状況把握)と生活相談です。介護が必要になったら訪問介護などと個別に契約するのが基本です。有料老人ホームのうち介護付き(特定施設)は、施設のスタッフによる介護がプランに含まれる点が大きな違いです。

要支援でも入れる施設はありますか?

介護付き有料老人ホームなどの特定施設は要支援1から、グループホームは認知症の診断がある要支援2から利用できます。一方、特養・老健・介護医療院の介護保険3施設は要介護の認定が必要で、特養はさらに原則要介護3以上です。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。