要介護認定の結果が低い・納得できないとき|区分変更申請と審査請求どちらを選ぶ

公開: 2026年6月20日 読了目安 約5分

先に、要点だけ

  • 結果が実態より軽いと感じたときの選択肢は2つ。区分変更申請(市区町村)と審査請求(都道府県の介護保険審査会)
  • 実務で主流なのは区分変更申請。状態変化があれば随時申請でき、結果は原則30日以内に出る
  • 審査請求は処分を知った翌日から3か月以内が期限。結論が出るまで数か月かかり、時間がかかる
  • 区分変更で必ず介護度が上がるとは限らず、下がることもある。出し直す前にケアマネジャー・地域包括支援センターへ相談する
この記事の目次
  1. 結果が実態より軽いと感じたら、動き方は2通り
  2. 区分変更申請と審査請求、どう違う?
  3. なぜ実務では区分変更申請が主流なのか
  4. 区分変更で必ず上がるとは限らない
  5. 出し直す前に、ケアマネジャーと「伝え方」を見直す

「要支援と言われたけれど、実際はこちらが付きっきりで手がかかる」——通知された要介護度が、毎日見ている親の状態より軽く感じられることがあります。判定に納得できないまま、どう動けばいいのか分からず止まってしまう家族は少なくありません。

結論から言うと、選択肢は2つ。市区町村への「区分変更申請」と、都道府県の介護保険審査会への「審査請求(不服申立て)」です。そして実務で現実的なのは、随時申請でき結果も早い区分変更申請のほうです。この記事では、2つの違いと、出し直す前に必ずやっておきたい準備を整理します。

結果が実態より軽いと感じたら、動き方は2通り

要介護認定の結果は「非該当」「要支援1・2」「要介護1〜5」で通知されます。この区分が日頃の介護の負担と合っていないと感じたとき、取れる手続きは大きく次の2つです。

🔄 区分変更申請

  • 窓口は市区町村(保険者)
  • 状態変化があれば有効期間の途中でも随時申請できる
  • あらためて認定調査をして判定し直す
  • 結果は原則30日以内

📮 審査請求(不服申立て)

  • 窓口は都道府県の介護保険審査会
  • 処分を知った翌日から3か月以内が期限
  • 認定処分の妥当性そのものを問う手続き
  • 結論まで数か月かかることがある

区分変更申請は本来、心身の状態が変化したときの手続きですが、結果に納得できないときの現実的な出し直しとしても使われます(厚生労働省)。審査請求は、市区町村が行った認定処分に不服がある場合の正式な申立てで、各都道府県が設置する介護保険審査会が審理・裁決します(東京都・愛知県)。

区分変更申請と審査請求、どう違う?

判断のポイントになる項目を並べると、違いがはっきりします。

比べる点区分変更申請審査請求
申請先市区町村の介護保険窓口都道府県の介護保険審査会
申請できる期間状態変化があれば随時処分を知った翌日から3か月以内
かかる時間原則30日以内数か月かかることがある
中身再度の認定調査で判定し直す元の認定処分の妥当性を審理
費用無料無料

💡 「取り消し」と「出し直し」の違い

審査請求が認められると、元の認定が取り消されて再度審査されます。一方の区分変更は、いまの状態でもう一度調べ直すもの。多くの家族にとっては、早く生活を立て直せる区分変更のほうが実益に近い選択になります。

なぜ実務では区分変更申請が主流なのか

理由はシンプルで、早くて、随時出せるからです。審査請求は制度上の正式な救済手続きですが、審理・裁決まで数か月かかることがあり、その間に親の状態や介護の状況が動いてしまうことも珍しくありません。

区分変更なら、原則30日以内という新規申請と同じ目安で結果が出ます。認定調査からやり直すため、前回は伝えきれなかった実態を反映させる機会にもなります。手続きの入口や、認定が出るまでの全体像は要介護認定の申請方法と流れと共通なので、あわせて確認しておくと動きやすくなります。

区分変更で必ず上がるとは限らない

ここが最大の注意点です。

⚠️ 下がることもある

区分変更申請は「介護度を上げてもらう」手続きではなく、いまの状態を一から調査して判定し直す手続きです。そのため前回より軽い結果になる可能性もあります。「出せば上がる」という前提で動くと、かえって使えるサービスが減ることもある点は知っておいてください。

つまり、勢いで出し直すよりも、「どう伝えれば実態が正確に伝わるか」を準備してから申請するほうが結果につながります。認定調査で何を見られるのかは認定調査では何を聞かれる?で確認できます。

出し直す前に、ケアマネジャーと「伝え方」を見直す

多くの場合、結果が軽く出た背景には「調査の日だけ本人が元気に振る舞った」「日常の困りごとを家族がうまく言えなかった」といった、伝わり方のギャップがあります。制度そのものより、ここを立て直すほうが効くことが多いです。

✅ 相談・準備でそろえておくこと

  • 担当のケアマネジャー(いなければ地域包括支援センター)に、区分変更を出すべきか相談する
  • 転倒やもの忘れ、失禁などの回数・頻度を「週に何回」と具体的にメモにする
  • 本人の前では言いにくいことは、別室やメモで調査員に伝える段取りを決めておく
  • 前回の調査で伝え漏れた場面(夜間・入浴・服薬など)を洗い出す

担当ケアマネジャーがいる場合は、区分変更のタイミングや調査への同席も相談できます。もしケアマネジャーとの相性で相談しづらいときは、ケアマネジャーの変更という選択肢もあります。まだ担当がいない段階なら、まず地域包括支援センターへの電話から始めてください。

手続きの運用や様式は自治体により細部が異なります(2026年時点)。実際に出す前には、親が住む市区町村の窓口か担当のケアマネジャーに、今の状況で区分変更と審査請求のどちらが向くかを確認してから動くと安心です。

よくある質問

区分変更申請と審査請求は、どちらを先にすべきですか?

多くのケースで先に検討されるのは区分変更申請です。状態の変化があれば有効期間の途中でも随時申請でき、結果も原則30日以内に出ます。審査請求は結論まで数か月かかることがあるため、まずケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、どちらが状況に合うかを決めるのが現実的です。

区分変更申請をすると、今より介護度が下がることはありますか?

あります。区分変更は「重くしてもらう」手続きではなく、あらためて心身の状態を調査して判定し直す手続きです。前回より軽い結果になる可能性もゼロではありません。だからこそ、出し直す前に日頃の様子を正確に伝える準備が大切になります。

審査請求はどこに、いつまでに行うのですか?

審査請求は、都道府県が設置する介護保険審査会に対して行います。期限は、原則として処分があったことを知った日の翌日から3か月以内です。認定結果に不服がある場合の正式な手続きですが、審理・裁決まで数か月かかることがあります。

認定結果が軽くても、その介護度でサービスは使えますか?

使えます。区分変更や審査請求を検討している間も、通知された区分に応じてケアプランを作りサービスを利用できます。まずは担当のケアマネジャーに、現状で使えるサービスと、区分変更を出すかどうかを合わせて相談してみてください。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。